今回のお話は、インプロヴィゼイションです。
なんのこっちゃ??と思われる方がいらっしゃるといけないので
念のために説明致しますと、即興、即興演奏のことです。演劇でもありますね。
そうです少しマニアックな音楽の話になります。
まず、クラシック音楽で即興演奏をやってしまったら速攻でぶっ飛ばされます。
ですので、クラシックをやっている人はあまり、即興演奏について深く勉強したりしません。
それがとってももったいない!というお話しです。
一口にインプロヴィゼイションと言っても様々なスタイルがありますが、
大まかに二つに分けられます。
全くの即興のフリーインプロヴィゼイションか、コード進行に沿ったアドリブか、モードというのもありますが、これもスケール=モードが決まっているので後者の括りに入るかと思われます。今回はコードに沿ったアドリブインプロヴィゼイションについてお話ししたいと思います。
先ほど“様々なスタイルがありますが”とさらっと言いましたが、本当に世界中様々な即興のスタイルがあるのです。今回ご紹介したい本1冊目、デレクベイリーというギタリストの方が書かれたこちら。
ロック、ジャズを始めフラメンコ、インド音楽、バロック音楽、教会のオルガン音楽に至るまで、そのスタイルにとどまらず、それぞれのジャンルの達人とのインタビューを通してその熱いものを見事にえぐり出して見せているのです。すばらしい!
これを読むとインプロヴィゼイションこそが音楽の原点である!ということがよく理解できるのです。
よくよく考えてみてください。
作曲家が曲を作っているとき、その頭脳の中ではつねにインプロヴィゼイションし続けているのではないでしょうか。その中であ!これだ!というフレーズなりコード進行を記録して、さらにそれを組み合わせ、構築しているのではないでしょうか?
さらにさらに、クラシックの演奏家は譜面を“解釈する”と言います。
究極論その解釈は作曲家が曲を作った時と同じレベルに達していなければならない、と思うのです。そう、その頭脳の中でのインプロヴィゼイションを追体験できるレベル、ということです。
たとえ超一流の境地には及ばずとも、そこへ近づくには、、そう、インプロヴィゼイションを“真面目に”勉強すればよいのです。
曲の解釈を追い求め続ける事と同時に、逆の方向、フレーズを作る側からアプローチすれば楽曲の解釈も深まること間違いありません。
そこで次にご紹介したいのがこちら、音楽雑誌パイパーズでもお馴染みだった、バリトンサックス奏者、(熱帯jazz楽団ほか、ドラムなども演奏され、マルチプレイヤーであられたそう)宮本大路さんの書かれた教則本です。
もちろん、ジャズのプレイヤー向けに書かれていますので、クラシックの演奏家が見たら??となる事もあります。
例えば、マイナースケール(短音階)のメロディックマイナー(旋律的短音階)の下降形が、ナチュラルマイナー(自然的短音階)にならずそのまま降りてくるいわゆるジャズマイナーなど、最初はびっくりするかもしれませんが、慣れれば何でもなくなります。
引き出しがひとつ増えるだけの話しです。
この教則本の特徴は、シンプルなスケールやアルペジオのパターンや短いフレーズをひたすら全調に移調しまくる、というスタイルです。
譜例はほぼCで書かれており、自力で全調移調するのですがそれがカテゴリーごとに100個!!
鬼!!しかしながらとても良いトレーニングです!
なるほどジャズプレイヤーはこういうトレーニングを日々やっているのだな、と妙に納得させられました。
ぼくはこの教則本を買って10年くらい経つのですが、恥ずかしながらまだ半分くらいしか出来ておりません、、考え方を変えればそれだけ長く使える、という事です。
それから、この教則本のためにももちろん役立つのですが、練習ノートを作る事をおすすめします。
始めのうちは、(今でも書くこともある)この全調移調練習も五線ノートに書きながら練習していました。
それに加えて、ジャズスタンダードの曲や気になった曲など何でも、今はコードの書いてある楽譜がネットで見れる時代ですので色々なところから拾ったり買ったりして、パターンを移調する練習を作ったり、ループして全調できるパターンを作ったり、自分なりの練習方法をカスタマイズする。楽しそうでしょ!
是非やってみて下さい。
ジャズの理論、考え方をもっと知りたい!という方にはこちらもお勧めします
深まります!ぼくも両方買って勉強しました。
ジャズスタンダードのコードとメロディーだけの譜面“リードシート”をいっぱい練習したい方にはこちら。
そして、もう少しだけ気づくのが早かったら、ぼくも宮本大路さんの楽器不問のアドリブレッスンを受けたかったのですが、残念ながら2016年に帰らぬ人となってしまわれたのです。
この場をお借りしてご冥福をお祈り申し上げます。
こちらは音楽雑誌パイパーズに宮本さんが連載されていたコラム、“白バリ道中記”が
本になっているではありませんか!
ぼくは“パイパーズ”で読んでいました。これも買って読まねば!
ぼくはいつの間にか王道のクラシックの現場からは随分と遠ざかってしまいましたが、
クラシックのレパートリーやエチュード、シンフォニーやオペラの抜粋ももちろん練習します。そんな時思うのです。ああこれをもっと早くにやっていればよかったのに!と。
なぜって、楽曲の解像度がまるで違うのですから。
練習方法としても活用できるインプロヴィゼイション!いかがだったでしょうか?
楽しいので是非やってみてください。
これから音楽についてもどしどし書いてゆきたいと思いますので、
どうぞよろしくお願いいたします。
それから、
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