くじら文庫

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書くことと、物語りをつくること②

子供と一緒に図書館に行っていたかみさんの借りてきた本の中に、 おっとこれはこれは見つけてしまった! 小川糸さんの小説「ライオンのおやつ」 知ってはいたのだけれど、ホスピスを舞台にした作品ということもあり自分からは飛び付かなかったのだ。まあし...
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書くことと、物語をつくること。

小川糸さんの「たそがれビール」という日記のような素敵なエッセイを読んでいて、なぜだか自分でも文章を書きたい!と思ったのだ。 ベルリンの音楽祭のヤングユーロクラシックのことなんかが書いてあって、芸大時代にオーケストラで参加して第九やったなぁなんて懐かしい思い出に浸っていた。 あれから何年経つんだろうなぁ。数えてみてもしょうがないので数えないけれど、当時のぼくの夢はヨーロッパのどこかの小さな街の小さなオーケストラに入団して演奏しながらささやかに暮らす。というものだったんだけれど、結局は叶わなかった。 まぁ叶わなかったことによって得られたものもたくさんあったので今となっては結構どうでも良いのだけれどね。 しかしながら、何ヶ月かヨーロッパに限らず海外に滞在して暮らすというのは今でも憧れるところだ。
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“夜”〜ロベール・クートラスに寄せて〜

「耳鳴り」                清水たみ子 お耳の中に夜がある、 くらいさびしい原がある、 風があれてる塔がある、 小さいあかりがともってる、 窓に羽虫がむれている、 そして遠くに鐘が鳴る。 『かたつむりの詩』(かど創房)より 内...
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料理 料理 料理!〜高山なおみ、焦桐、料理エッセイとレシピの世界〜

自分の中で、あるいはジンセイで、2番目に好きなことを仕事にするのがいい。 という話を聞くけれど、それが本当ならぼくは料理人になるべきだったんだ。 とはいえ、何年か前までは和食とお蕎麦のお店の厨房で働いていたのだけれどね。 料理人とは名乗れな...
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街とその不確かな壁 村上春樹

今回は迷わず飛びついた。なぜって、また“あの街”に行けるのだから。 学生の頃、友達に勧められて読んだ“ねじまき鳥クロニクル”を一気に読んで 一気に村上ファンになった。そこから過去の作品を読み漁り “アフターダーク”まで読んだ。 そこから先は...
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いしいしんじ 麦ふみクーツェ 〜へんてこさに誇りをもっていられるたったひとつの方法〜

とん、たたん、とん  真夏のむしあつい晩 ぼくはひとりめざめ、不思議な音に気づく。 光の差している窓辺にあゆみよると、窓の外は見たこともない黄金色にかがやく大地が えんえんとつづいているばかり。視線をうちの玄関先におとすと、そこには へんて...
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ネアンデルタール KINDRED Neanderthal Life, Love, Death and Art Rebecca Wragg Sykes

ぼくが子どものころ、 まだ、公園や空き地に瓦礫がたくさん埋まっているような場所があった。 多くは陶器の破片で茶碗だったり屋根瓦だったり、なぜそんなところに 割れた茶碗やら屋根の瓦が埋まっているのか不思議だった。 不思議な魅力と好奇心に駆られ...
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自分の感受性くらい 茨木のり子詩集  谷川俊太郎選

詩人、茨木のり子の詩に、自分の感受性くらい 自分で守れ ばかものよ という一節がある。 その言葉が当時のぼくにはものすごく突き刺さった。 興味を持たれた方は是非詩集を手に取っていただいて、じっくり味わってください。 ぼくは音楽大学を卒業した...