街とその不確かな壁 村上春樹

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今回は迷わず飛びついた。なぜって、また“あの街”に行けるのだから。

学生の頃、友達に勧められて読んだ“ねじまき鳥クロニクル”を一気に読んで

一気に村上ファンになった。そこから過去の作品を読み漁り

“アフターダーク”まで読んだ。

そこから先はいつしか飛び付かなくなってしまったのだけれど。

それはさておき、この作品に対して最初に感じた印象はピュアでみずみずしい。

なんでも“ぼく”が17歳で“きみ”は16歳なんだから。因みに村上春樹さんは現在71歳

になられたそうだ。がーん、なんだか正体のわからないショックが隠しきれない。

読み進むにつれて、足元でひたひたと波打つ何かの存在に気づき始める。

“死の影”。

しかし、あえてそれには気づかないふりをして、

穏やかに流れる川のような優しさに身を任せていると、

人物や細かなディティールが少しずつ、気持ち良く、重なってくる。

細かなディティールといえば、この本の装丁にも細かな演出が施されている。

ぼくはいつも単行本を読むときに、むいてから読む。

表のカバーを必ず外して中をチェックするということだ。

今回、カバーを外してあっと声を出しそうになった。

金色だ。これは作中に登場する一角獣の毛皮の色ではないか!

(世界の終わりとハードボイルドワンダーランドにも登場する。)

それから緑色の栞、表のカバーの黒もきっと、、、そういうことなのだ。

構成は3部に分かれている。常に中心には図書館があり、川が流れている。

第一部では“世界の終わりとハードボイルドワンダーランド”に登場するストーリー

“世界の終わり”に沿って、(新しいストーリーが付け加えられた形で)進行する。

その“世界の終わり”と見比べながら、

またその巻頭についている“街”の地図を眺めながら読むのも楽しい。

第二部から雰囲気が一新する。新しい人物が次々と登場し、

ストーリーはどんどん複雑に絡み合ってゆく。(全体の半分以上が第二部だ。)

第3部で衝撃のラストを迎えるのだけれど、、、その先をどう捉えるのか、

意見が分かれそうだ。

色々な事を連想、推理しながらの読書時間は格別だった。

ともあれ、何があろうとも“あの街”へ行かなければならない。

ではまた、始めからもう一度読むとしましょうか。

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上巻文庫本、どちらも935円(税込)送料無料。

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これはやりすぎか…

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