自分の中で、あるいはジンセイで、2番目に好きなことを仕事にするのがいい。
という話を聞くけれど、それが本当ならぼくは料理人になるべきだったんだ。
とはいえ、何年か前までは和食とお蕎麦のお店の厨房で働いていたのだけれどね。
料理人とは名乗れないけれど、少しは勉強できたんじゃないかと思う。
音楽稼業をやりながらとはいえ、15年もやっていればそうなりますよね!
従業員の食べる“まかない”を作ったり、魚の下拵えをしたり、出汁を引いたり、野菜を切り揃えたり、もちろんオーダーも全部やった。
こうして料理の事を文章にするとなんだかすっとして気持ちが良い、背筋がぴんと伸びる気がする、それだけ好きなんだろうなぁと思う。
料理に関する本を読むのも大好きだ。
そんなぼくのアイドルは、なんてったって高山なおみさんだ。
図書館でふらっと借りて読んだこちらのエッセイがとても良くて、まずご紹介したいと思う。
高山さんの作画もとっても素敵だ。
文章が書けて、料理が上手くて、絵も描けるなんて!ぼくはきっと才能溢れる女性に弱いのだな、、、
他にもご紹介しておきますね。
ぼくが以前働いていたお店にもう一人、高山さんの熱烈なファンがいた。
ぼくと親子ほど歳の離れたKさん、本職は飲食店の内装のデザイナーなのだけれど、
(その店にはぼくも含め、仕事をいくつか持っている人がたくさんいた。)
料理が好きすぎて厨房で働いている、という酔狂な方だ。
アンティークやジャズの名盤にも詳しくて色々と教わった。お元気でいらっしゃるかなぁ。
そのお店は土曜日はお客さんが少なくて割とゆったりと営業できた、そんな時Kさんは
なんと自腹で食材を買い集め、従業員のための“まかない”を作ってくれるのだ!
食材でぱんぱんになったエコバックを肩から下げて厨房に入ってくる。
そして小脇には決まって高山なおみさんの“おかずとご飯の本”を携えて。
楽しそうな笑顔でぱらぱらとページをめくり、今日はこれを作ろうかと思うんだと言っては、鳥すき、いわしの梅煮、イカわたカレーやタイカレーなんかを作ってくれた。
その中でも特に我々従業員のお気に入りだったのが“イカわたカレー”だ。
イカの輪切りとイカわた、それから玉ねぎではなくワケギが入り、オイスターソースがいい隠し味になっていて、絶妙にイカのうまみを引き立てている。市販のカレールウを使ったレシピなので絶対に失敗しないのも魅力。中華鍋で豪快に作るのだ!
当時を思い出すと懐かしくなって、ああ、お腹が空いてきたぞ!
思い出のシーンのところどころに美味しい料理があるっていうのは何だか幸せだ。
次はそんな本をご紹介したいと思う。
台湾、と聞いてよだれを垂らす食いしん坊は多いはずだ。ぼくもその中の一人なのだけれど
いやいやこんなにも知らない料理、食材があるとは自分でも驚きだった。サバヒーってなんだ?ぼくは台湾にルーツを持つクォーターなのだけれど、恥ずかしいほど彼の地について知らない。フォルモサと呼ばれていることもここで初めて知った。
著者はもちろん台湾の方で故郷と郷土料理をこよなく愛していらっしゃる。詩人、編集者としても有名な方だそうで、その文学的目線で書かれたエッセイ。まさに人生の中心には料理があり、そしてその料理に対する飽くなき探究心に気持ち良く圧倒される。
そして読み終えると中華料理だけでなく中華文化圏にも少なからず親近感を抱いているはずだ。
食いしんぼうは世界を平和にする!
料理万歳!
料理の記事、これからもトントンざくざく書いて行こうかと思いますので
どうぞよろしくお願いいたします。
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