くじら日記・・2025年11月某日〜これ以上の幸せは〜

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少し暖かな日は

折りたたみ椅子を持って出かけて

外で読書をするのが最高の幸せだ。

ここは自宅から自転車で少し走ったところにある河原

川を見ていると、カワセミがダイブしたり

セグロセキレイが遊んでいたりする。

この日の本は、伊集院静さんの旅にまつわるエッセイ集”読んで旅する 旅だから出会えた言葉Ⅲ”

ぼくも大好きな画家、ジョアン・ミロの話が面白かった。

それから、堀江敏幸さんのこれもまた短編集”オールドレンズの神のもとで”

こちらは同著者の小説”めぐらし屋”の別な視点から描かれている作品や

犬の散歩代行の話が、しんみりしていてとても良かった。

伊集院さんは晩年、肝内胆管がんを患っていらしたそうで

作品のなかで”もうこれ以上の幸せは望みません”ということを仰っている。

実は、昨年の春からぼくの妻が肺がんになってしまい

ぼく自身も、てんかんの発作から派生したとされるFND(機能神経障害)

によって軽度の右半身麻痺と歩行障害が残ってしまった。

妻は右肺下葉を全摘して一度は事なきを得たけれど

また治療が始まるそうだ。

家族と暮らせて、好きな音楽のお仕事もさせていただいて

神様。もう、これ以上の幸せは望みませんから

先日、妻の検査に付き添って出かけた先に公園があって

検査中、子どもとふたりで散歩した

そこは、子どもがもっと小さかった頃よく遊びにきていた所だった。

小さな丘があって、そのてっぺんにはムクノキが立っている

その木の下で家族でピクニックをしたことがあって

その時もムクノキは同じように黄色く色づいていたと思う。

しばらく来ないうちに、ムクノキの下にはベンチが

みっつ、よっつ、いつつ、

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そこでは 老いも若きも 病めるも康きも 黄金色の光に包まれて

風に吹かれている。

あの時はもう少し暖かくて

丘の斜面の草の中に、飛ぶとチキチキと音を立てるショウリョウバッタがいて

子どもが走ってはそれを追いかけていた。

あの日みたいにまた家族みんなでここに来れたらいい

どこまでも気持ちの良い晴れた日に。

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