
少し暖かな日は
折りたたみ椅子を持って出かけて
外で読書をするのが最高の幸せだ。
ここは自宅から自転車で少し走ったところにある河原
川を見ていると、カワセミがダイブしたり
セグロセキレイが遊んでいたりする。

この日の本は、伊集院静さんの旅にまつわるエッセイ集”読んで旅する 旅だから出会えた言葉Ⅲ”
ぼくも大好きな画家、ジョアン・ミロの話が面白かった。
それから、堀江敏幸さんのこれもまた短編集”オールドレンズの神のもとで”
こちらは同著者の小説”めぐらし屋”の別な視点から描かれている作品や
犬の散歩代行の話が、しんみりしていてとても良かった。
伊集院さんは晩年、肝内胆管がんを患っていらしたそうで
作品のなかで”もうこれ以上の幸せは望みません”ということを仰っている。
実は、昨年の春からぼくの妻が肺がんになってしまい
ぼく自身も、てんかんの発作から派生したとされるFND(機能神経障害)
によって軽度の右半身麻痺と歩行障害が残ってしまった。
妻は右肺下葉を全摘して一度は事なきを得たけれど
また治療が始まるそうだ。
家族と暮らせて、好きな音楽のお仕事もさせていただいて
神様。もう、これ以上の幸せは望みませんから

先日、妻の検査に付き添って出かけた先に公園があって
検査中、子どもとふたりで散歩した
そこは、子どもがもっと小さかった頃よく遊びにきていた所だった。
小さな丘があって、そのてっぺんにはムクノキが立っている
その木の下で家族でピクニックをしたことがあって
その時もムクノキは同じように黄色く色づいていたと思う。
しばらく来ないうちに、ムクノキの下にはベンチが
みっつ、よっつ、いつつ、
そこでは 老いも若きも 病めるも康きも 黄金色の光に包まれて
風に吹かれている。
あの時はもう少し暖かくて
丘の斜面の草の中に、飛ぶとチキチキと音を立てるショウリョウバッタがいて
子どもが走ってはそれを追いかけていた。
あの日みたいにまた家族みんなでここに来れたらいい
どこまでも気持ちの良い晴れた日に。

コメント